そもそも
とある先輩が作りたいと言ったので先に作ってしまおうと考えた。
案出し
前提条件として、普通に鍵の開け閉めを手動で行う機能は残す、かつ、賃貸なのでドアは壊さない。
そのうえで、wifiなどの何らかの非接触の手段でカギを開ける。
自宅の玄関のカギは下図のようになっている。鍵の開け閉めのアクチュエータを検討する。
空気や油圧を使うほどでもないソレノイドを使うと機構が面倒そうDCモータ/ステッパを使っても制御が面倒そう- 決定:RCサーボがお手軽!
設計に必要なパラメータである鍵を開け閉めするときのトルクを吊り測りで計測する。
計測結果は以下の通り
- 閉めるとき:約1kg/cm
- 開けるとき:約2kg/cm
想像も必要なトルクは少なかった。この値なら小型のサーボでも大丈夫なので、このトルク見合うサーボモータを探す。探す基準としては以下の通り
- 摩擦によるロスを考慮し、2倍程度以上トルクが大きいものを選定: 4.0kg/cm 以上
- 装置の重量は気にしないので、耐久性の高いMG(メタルギア)
家にあったGWS Micro-2BBMGでよさそうなので、それを使用する。
■トルク:5.4kg(4.8V)
■重さ:28g
■スピード:0.17秒/60度(4.8V)
■サイズ:28x14x29.8mm
ドアのパラメータ(ネジ径や位置)をノギスで測り設計する。
とりあえずCADに起こして、ドアのパラメータを数値化する。2BBMGもCADにおこして機構を設計する。
しかし、途中までCAD制作して気づく、CNCや3Dプリンタを使わないので設計してもあまり意味がない!
onShapeポイント:今回しようしたonShapeはクラウド上で無料で利用できる。一部制限(privateドキュメント数など)はあるものも、1ドキュメントの中に複数の部品やアセンブリ(部品を集めた単位)を保存できるため、ほとんど気にならない。STL形式も出力可能。
個人で使えそうなCAD調査
脱線して、3Dプリンタなどのデータ作成に使えそうなCADを少し調べてみた。
- onShape
- SketchUpMake
Autodesk 123D提供終了:現在はfusion360- Blender
- Metasequoia4
- FreeCAD
- shade16
CAD直方体作成比較
CAD比較まとめ
名称 | 出身 | 対応OS | 一言コメント | |
1 | onShape | CAD | ブラウザ | solidworksやNXを触ったことがあるなら、おすすめ |
2 | SketchUpMake(旧GoogleSketchUp) | CG | windows | 使いやすそう |
3 | 提供終了(2017/3/31) fusion360が代わりに提供され、おすすめです。 | |||
4 | Blender | CG | Windows、Mac、Linux | 高機能だが少し慣れが必要 |
5 | Metasequoia4 | CG | Windows、Mac、Linux | 使いやすそう STLを直接吐くにはには有料 |
6 | FreeCAD | CAD | Windows、Mac、Linux | OSS、でも正直ほかに比べると使いにくい気がする |
7 | shade16 | CG | Windows、Mac | 使いやすそう 有料 個人的に好き |
制作
加工方針
時間もないので、一番簡単に行けそうな機構である並行リンクを採用し、適当に図面を書く!
どう制作しようか悩んだのは鍵のつまみ部分!、CNCやレーザー加工機があれば、簡単につくれそう。
上図 加工機がないので断念した案
つまみカバー制作
結局つまみはパテでつくることにした(パテを使うのは初挑戦!)セメダイン社の「エポキシパテ プラ用」400円くらいを購入。
引用:セメダイン
301 Moved Permanently
鍵のつまみをサランラップで保護したあとに適当に張り付ける。
Before After
硬化するまで待ったものがこちら
まぁまぁいい感じにできたと思う。つまみにもきちんと嵌り、強度的にも大丈夫そう。
制作したつまみカバーにΦ3のナットを埋め込むために、ドリルで加工する。
サーボ固定台の作成:これはアルミをまげて、ドアのネジ穴部分に合わせてΦ4.5程度の穴をあける。サーボホーンにあるみを接着し、Φ3のタップを切る
あとは、つまみカバー・シャフト・サーボホーン・サーボ・サーボ固定台などを繋げて完成!
回路要件
今回の回路に求められる要件
- サーボ1chの動作
- 電池でなくコンセントから給電
- 音をAD変換
- probe要求を拾ってスマホのmacアドレス拾うまで鍵は動かないようにしたい → やってみたけど、時間的に無理そう(同期tktk)
- 暫定案:APに接続し、スマホアプリから操作
- 内側からはボタンで解錠
- オートロック:ドアが一定時間(10秒とか)閉まっていたら自動でドアの鍵を閉める
回路仕様
- 電源
- コンセントから5V(
あるいは3.3V)にするのは市販のUSBアダプターを使用- サーボを1台動かすので、制御回路直前をコンデンサで補強
- 電源はマイコン0.5A+サーボ2.0Aの2.5A位流せれば十分
- USBケーブル→マイコン
- コンセントから5V(
- 振動→電気
- コンデンサマイク
ピエゾ素子
- トランジスタを組むのが面倒なのでオペアンプで増幅
- 今回拾う音の周波数は一定範囲(ドアを爪でノックした音域)でいいのでバンドパスフィルタを導入
- コイルは持ってないので、抵抗とコンデンサとオペアンプで作成
- フィルタ設計おすすめサイト:http://sim.okawa-denshi.jp/Fkeisan.htm
- オートロックのためにフォトリフレクタを使用
- マイコン
- eps8266を使う、probe要求を検出して… の部分を実装するとなるとサーバが必要そう)
時間がないし面倒なのでとりあえずarduino prominiで作成する?
回路確認
回路制作
本来ならば、LTSpiceで回路シミュレーションし、部分的に回路を確かめながらEagleで回路図とパターン・ガーバデータなどを作成するが、時間がないので紙上で回路図とパターン図を作成する。
★回路図 時間がなかったので、とりあえず動くものを・・・
★パターン図 時間がなかったので、とりあえず動くものを・・・
パターンに従い、ユニバーサル基盤に手はんだしていく
★完成写真
プログラミングの書き込み
eps8266はarduinoとして使えるので以下のコードを書き込む
完成動画
probe要求メモ
- http://robinhenniges.com/en/capture-probe-request-tcpdump-wlan-wifi
- http://stackoverflow.com/questions/21120072/how-to-capture-probe-request-data-or-probe-response-data-sent-from-wireless-rout
- https://wireless.wiki.kernel.org/en/users/Documentation/iw/vif
- これよさそう!
コメント
[…] 以前、自宅の鍵の自動開閉の記事で3D-CADを調べた際には、無償版はAutodesk 123Dだったが、Autodesk 123Dはサポートを停止し、fusion360に統合した模様。 […]