2045年頃にシンギュラリティと噂されたり、ムーアの法則は崩れたとも噂されたりしています。
最近のスパコン性能向上を調べ、実際のところどうなのかを確認してみます。
結論 – TL;DR
一個人が確認した結論を先に言うと、シンギュラリティは2045年よりもうちょい先になりそう。ある程度のことができる人工知能(人っぽいなにか)は2045年頃には普及し始めそう。
スパコンの性能推移(スパコンFLOPS実測値)
まだまだ性能は向上している(グラフ縦軸は対数、単位はGFLOPS)。
FLOPSは 1秒間に処理可能な浮動小数点演算の回数 の単位。
人の脳のシミュレーションに必要な計算量
ヒトの神経細胞は、
- 大脳:約160億個
- 小脳:約690億個
- 脳全体では約860億個=8.6×10^11
これらをある空間に配置してシナプスで結合して電気信号のリアルタイムシミュレーションするのに必要な計算量は 3×10^21FLOPSあたりらしい。
脳細胞の総数と比較しても妥当。
想定可能な今後の予想
2019年時点での最速のスパコンは10^19FLOPSなので、あと性能が約1000倍になれば人の脳をリアルタイムでシミュレーションできる性能に達する。
2030年頃には達成できそう。その後も性能は上がり続ける。2045年頃にはスパコンでなくともある程度の設備(一般企業やPCマニア)でシミュレーションできる環境が整う。
今持っているPCのCPUとGPUの合計が約10000GFLOPS(=10^13FLOPS)で、これは2000年過ぎたあたりの世界最速のスパコンの性能と同等。
つまり約20年遅れで一般的なPCの性能が追いつくペースであると推測できる。
ソフトの改良とある程度のAIの完成
2030年以降は脳のシミュレーションが今より1000倍以上早く行える(2019年現在、41日程度かかる計算が1時間で終わる)ため、ソフトの改良がやりやすくなる。
改良しつつ様々な脳のシミュレーションや学習を2045年まで行い、脳の学習済みモデルを作成できる可能性が高い。
そして2045年以降は、860億個の細胞と細胞間の電気信号のシミュレート(自律的に学習や判断が可能なプログラム)を一般的な設備で行えるようになり、人に代わり様々な高度な仕事をしてもらえる可能性がある。
2030年から20年後の2050年には一般的なPCでこれができるようになると嬉しい。
本ページでは触れないけれど、計算性能だけでなく(脳をシミュレートした)PCへの入出力の環境(身体性)の向上もシンギュラリティには必須だと個人的には思っています。
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